2026年7月1日より、筑波研究学園都市交流協議会(筑協)の会長に就任しました、国立大学法人筑波大学長の永田です。どうぞよろしくお願いいたします。
筑波研究学園都市は、1960年代に東京の一極集中を緩和し、科学技術の振興を目的として計画され、我が国最大の研究開発拠点として発展してきました。特に、開業20周年を迎えたTX(つくばエクスプレス)により都心部へのアクセス性が向上したことで人口の増加が進み、現在、つくば市の常住人口が茨城県内市町村人口で1位となっています。学園都市には、現在、29の国等の研究・教育機関を含め、官・民合わせてl00を超える研究機関が集積しており、外国人研究者4,000人強を含む約1万7千人の研究者が活動しています。
筑協は、このような筑波の地において、2004年6月に、筑波研究学園都市研究機関等連絡協議会(筑研協)と筑波研究学園都市協議会(研学協)を統合し発足しました。筑協の目的は、「筑波研究学圏都市の国際性を活かし、筑波研究学園都市の将来像をふまえ、会員相互が研究交流、共通問題等について相互に緊密に連携し、必要な意見交換を行うとともに、真に住み良い成熟した都市づくりを図ること」としており、筑波の地における連携の要の役割を果たしています。
日本は現在、不安定な国際情勢の下、国内においては少子高齢化による労働力の減少、経済成長の停滞、地球規模での気候変動と災害の激甚化、そしてエネルギー資源問題等と、多くの課題に直面しています。こうした課題を解決するためには、科学技術の発展とこれを支える人材の育成が重要です。時あたかも第7期の科学技術・イノベーション基本計画が発出され、技術開発とその社会実装の重要性が喧伝されています。例えば、フィジカルAIやロボティクスの導入は、労働力の減少下において生産性の向上と労働力の効率的な利用を可能とし、経済の再興へと道を拓くものです。その技術は世界的に急激な発展を遂げており、我が国がこれに伍するためには、研究開発を通じて関連したイノベーションを推進しなければなりません。
そのためには、筑波研究学園都市における研究機関間のシナジー(相乗)効果を発揮し、各々が固有のミッションを果たしながらも共創し、未来を切り開いていくことが求められます。持続可能で強靭な社会の実現に向けて、基礎研究から応用研究、および社会実装を支える研究の強化と人材育成の推進によって、述べてきた課題の克服を目指します。また、筑協の目的の「成熟した都市づくり」の部分を、「科学と技術の発展が感じられる街」と読み替えて、学園都市のまちづくりに貢献します。
本協議会の活動を推進すべく、関係各位のより一層のご理解とご支援をお願い申し上げます。
(国立大学法人筑波大学 学長)永田 恭介