国立公文書館は、国の機関で作成された膨大な公文書の中から、歴史資料として重要なものを選んで保存し、一般に公開してご利用いただくための機関です。保存されている公文書は、日本の歩みを後世に伝えるための国民共有のかけがえのない財産です。つくば分館は、書庫等の拡充を図るため、平成10年7月に設置され、移管を受けた歴史資料として重要な公文書等を永久に保存し、国民の利用に供するための様々な取組を行っています。
行政機関はもとより独立行政法人も公文書管理法の適用対象です。また、国立公文書館は、公文書の保存及び利用の推進を図るため、国、独立行政法人、地方公共団体等との情報共有や技術的協力などの連携協力も行っており、会員機関同士の相互理解を深めることを目的として、つくば分館バックヤード見学を企画しました。
国立公文書館つくば分館における公文書の受入れ、保存
特定歴史公文書等(国の機関等から受け入れた歴史公文書等)は、かびや虫害等による劣化を防ぐために、くん蒸という作業が行われています。くん蒸には、酸化エチレンを主剤としたガスによる減圧式くん蒸装置が使用されており、文書を受入れる室において実際にくん蒸を行う装置の操作や10日程度の日数を要すること等について説明を受け、一連の工程について理解を深めました。
くん蒸処理、整理が終わった特定歴史公文書等は、直射日光、高温多湿、塵埃、大気汚染物質等から保護するために、温度22℃、湿度55%の空調設備の整った書庫に収納されています。実際に書庫に入り、火災に備えて、煙感知器及びイナージェンガス噴射による消火設備等が整備されていることを確認しました。
また、適切な管理及び効率的な利用を図るため、1冊ごとに簿冊の標題を記載した目録(簿冊目録)等の作成やインターネット等を通じての検索のためにデータベース化も行っていること、具体の古文書を例にデジタルアーカイブの操作方法等についても説明がありました。
国立公文書館つくば分館バックヤード見学に参加した感想など
- くん蒸を行う部屋や書庫等バックヤードでは、温度やにおいなどもリアルに感じることができ貴重な体験でした。公文書が大切に保管されている様子をみて、とても親しみを感じました。
- つくば科学万博の用地選定の際に国と地方自治体の間のやりとりが保存されているのを例に、意思決定の過程とその経緯を公文書から読み解くことができることをご紹介いただきました。保存されている公文書は、日本の歩みを後世に伝えるための国民共有のかけがえのない財産であるとあらためて感じました。
- 御璽のルールから見た終戦の文書についてご説明の中で、作成に関わられた人の「思い」も垣間見ることができて、とてもエキサイティングでした。各種設備も見応えがあり、秘密保持を考慮しながらもその魅力を知り、広く利用を促していきたいと感じました。
- 源氏物語の一節から、当時の文化やシミ(紙をたべるムシ)などが人々に認知されていたことなど、読み解くことができることにも感動しました。日本の歴史に触れ未来の在り方についても考えることができる施設だと思いました。
終了後のアンケートでは、他の機関を知るとても良い企画であること、また他の機関にも知られていない価値や魅力がもっとあるのではないかという声もありました。また、資料の修復のノウハウや目録作成の仕方、施設の維持や管理等々、もっと関係機関同士で連携できることも認識されました。
その他、こんな企画はどうかという提案もありましたので、また機会をつくり、つくばの新たな魅力を発掘する活動を継続していきたいと思います。
当日の様子



※国立公文書館では、館の業務(利用、保存、修復、展示等)を紹介するため、行政機関、民間企業、学校、NPO法人等の様々な団体の見学を受け入れています。このほか、個人が参加できるツアーを開催しています。
- 国立公文書館ホームページ
- 国立公文書館見学(ツアー)のご案内 東京本館とつくば分館の見学ツアーがあります