令和7年3月6日に第13回筑協ランチミーティングを開催いたしました。今回は、国土交通省国土技術政策総合研究所においてランチを交えながら、施設見学及び今後の取組についての意見交換を行いました。
| 日時 | 令和7年3月6日(木)11:00~14:30 |
| 場所 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
| 参加者数 | 33名(16機関) |
スケジュール
| 11:00~11:45 | 見学会 ・移動式たわみ測定装置 (国立研究開発法人土木研究所) ・下水道管路模擬施設 (国土技術政策総合研究所) ・試験走路 (国土技術政策総合研究所) |
| 12:00~12:50 | 昼食会 場所:国土技術政策総合研究所 8階会議室 会費:1,000円 |
| 13:00~14:30 | 意見交換会 ~次期科学技術・イノベーション基本計画策定への情報提供について~ 会場:国土技術政策総合研究所 8階会議室 |
見学会
国土交通省国土技術政策総合研究所は、住宅・社会資本分野における唯一の国の研究機関として、技術を原動力に、現在そして将来にわたって安全・安心で活力と魅力ある国土と社会の実現を目指すことを使命として掲げる研究機関です。防災・減災、環境保全、気候変動適応、下水道、河川、土砂災害、道路交通、建築、住宅、都市計画、港湾、空港など、幅広い分野での調査・研究を行っており、その中でも今回は、下水道、道路交通分野をメインとして、移動式たわみ測定装置、下水道管路模擬施設及び試験走路を見学しました。
施設見学①:移動式たわみ測定装置
近年、舗装構造の健全性を効率的に評価する非破壊点検技術として、土木研究所で研究が進められている移動式たわみ測定装置(MWD:Moving Wheel Deflectometer)が注目されています。中型車両に路面のたわみを検知するドップラ振動計を搭載した装置で、走行させるだけで路面のたわみ量を計測し、舗装構造の健全性が低下した区間を抽出することができます。従来の方法に比べて交通規制や測定時間の短縮が可能となり、ネットワークレベルでの舗装健全性の把握が期待されているものです。


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移動式たわみ測定装置(MWD)~舗装構造の健全性を効率的に評価する非破壊点検技術~
施設見学②:下水道管路模擬施設
下水道管路内で発生する様々な異常を人工的に再現するための実物大の管路模型で、統一された条件のもとで実験を行うことができ、実際の現場での実験よりも安全かつ効率的に調査機器の性能を確認することができます。国土技術政策総合研究所では、ドローンを使用した管内異常調査の性能実験や点検調査機器の性能確認・比較実験等が行われ、民間事業者や地方公共団体などの外部機関への貸出も行われているそうです。


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下水道管路模擬施設
施設見学③:試験走路
国土技術政策総合研究所では、試験走路を活用して様々な道路条件を再現し、実際の道路での状況をシミュレーションしながら道路や車両に関する研究が行われています。試験走路は全長6,152mで、直線部分やカーブ部分が含まれており、直線部分はコンクリート舗装(2,192m)とアスファルト舗装(693m)で構成、両端部は円曲線で設計されています。南ループの半径は222.5m、北ループの半径は147.5mであり、設計速度はそれぞれ時速120kmと100kmです。試験走路は道路構造令などの技術基準に基づいて設計されており、実際の道路環境を再現することで、道路の走行性、安全性、環境保全に関する実験が行われています。また、防護柵や緩衝施設等の交通安全施設の性能を確認するため、実際に車両を衝突させる実験を行うなど、より安全で効率的な道路設計や技術開発のために使用されています。


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道路関連実験施設紹介
ランチ会
国土技術政策総合研究所8階会議室から筑波山を眺めながら、たいへん和やかな雰囲気に包まれたランチ会となりました。国土技術政策総合研究所の食堂からランチボックスとしてジューシーなサンドウィッチやおにぎり等が提供され、つくば地域の更なる発展や最近の出来事など様々な話題が交わされました。

意見交換会
ランチ会に引き続き、企画調整委員長(国総研)の進行で意見交換会を行いました。1/10に開催した新春講演会のテーマとなった科学技術・イノベーション基本計画に関連して、今後のつくば地域における取組について意見交換を行いました。
つくば市は、2022年4月に「スーパーシティ型国家戦略特別区域」として区域指定されており、今後有機的なつながりをどう発展させていくかについて意見が交わされました。五十嵐市長からは、住民のつながりを力にして、大胆な規制改革とともに先端的な技術とサービスを社会実装することで、科学的根拠をもって人々に新たな選択肢を示し、多様な幸せをもたらす、大学・国研連携型スーパーシティの実現について情報提供がありました。筑波大学等からは、機関間の横の連携や人材の交流を行ううえでのサポート、組織間の下支えを強化し、自然科学にとどまらず人文社会科学の分野等も巻き込みながら、社会実装のための実証のプロセスをモデル化していくことについて情報提供があり、さらには最先端の研究とアートが組み合わさることで市民との距離を縮めるような取組についても話が及びました。
また、筑波大学が中心となり研究機関の集積効果を活かした魅力的な人材育成システムを示すことで、優秀な学生や外国人研究者がここを目指してくる仕組みづくりについて話し合われました。連携大学院・協働大学院制度は、若手研究者をこの街に引き付ける、新しい科学をこの街から発信していくという両面を担うものであり、国内の若い人が博士を目指さない状況の中、博士の価値を高め、つくばにはこういうキャリアパスがある(実際の研究現場で博士課程の学生を育て、つくばの研究機関に就職できる)ことをみせることが大事ではないかといった意見が示されました。そのために、安心快適に研究できる環境の実現や更なる魅力向上、ネットワークの構築も進めるべく協力することが申し合わされました。他方で、技術の細分化が進む中で様々な社会課題に取り組むことが求められており、マルチの技能を持った職員を育成するため他分野同士の協力も強化していくべきといった意見もありました。茨城県科学技術振興財団からは、さらに若い世代のサイエンスに取り組む意欲向上のため、つくばScience Edgeや江崎玲於奈賞等の機会に中高生が研究者と触れ合う機会の提供を行っているといった、取組の状況について共有されました。
この意見交換会を通じて、筑波研究学園都市は、国が進める科学技術政策の推進力となるべく、なお一層の機関同士のつながりをもちながら、そのための基礎研究の充実、社会実装の事例を増やしていくための取組を強化していく、スーパーサイエンスシティはその大きなステージであることが申し合わされました。

